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顎関節症について

関節鏡視下手術

症状別 顎関節症 ”口が開かない!”の続編で、特殊な治療法についてお話したいと思います。

パンピングマニピュレーションや関節腔洗浄療法を行っても症状が改善しない場合には、関節鏡という内視鏡を使った手術(関節鏡視下手術)が必要になることがあります。

内視鏡を使った手術は、できるだけ患者さんの体の負担や侵襲を少なくするために考え出された方法です。

一般的には、耳の前に2か所、2~3mmの小さな切開を入れ、一方から関節鏡を入れて関節の中を観察し、もう一方から器具を入れて手術を行います。

関節鏡視下手術の方法はいろいろありますが、多くが上関節腔にできた線維の癒着した部分をはがして関節の動きを良くすることを目的としています。

まだ、はっきりしたことはわかっていませんが、顎関節に負担がかかったり、長期間、関節の動きが少なかったり(口が開かなかったり)すると、この線維の癒着ができることが多いようです。

癒着をはがした後に、口を開ける器械で強制的に口を開け、最後に生理食塩水で関節腔を十分洗浄します。

耳の前の切開は、縫合しますが、術後はほとんどわからなくなります。

その後は、せっかくはがした線維が再び癒着しないよう、開口練習を含めたリハビリが重要になってきます。

関節鏡視下手術は全身麻酔で行い、特殊な技術が必要であるため、トレーニングを積んだ歯科医師が行う必要があります。

当院院長も大学病院で患者さんがいる場合には、招集され、医局員の指導も含め、関節鏡視下手術を行っています。

最近では、関節を大きく開けて手術をする顎関節開放手術はほとんど行なわれなくなり、内視鏡手術までで、ほとんどの症状が改善します。

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