顎関節症|御茶ノ水駅・小川町駅B4・A7出口上がってすぐの歯医者

塚原デンタルクリニック
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顎関節症

顎関節症とはどんな病気なのか

顎関節症とは、あごの関節やそれに関わる筋肉、咬み合わせなどに生じる様々な症状の総称です。
これにより顎の機能(顎の開け閉めや、咀嚼など)に不具合が生じます。
最近は顎関節だけでなく、顎や顔面においての痛みや機能の不具合も含めて考えています。
顎関節症には、安静にしているだけで治癒してしまうものから、専門的な指導や治療が必要なものまであり、様々な症状を呈します。しかし、進行的に顎の機能が破壊されてしまうことはほとんどありません。

顎関節症になる原因

顎関節症になるには様々な原因が有ります。

構造的問題(遺伝・先天)

  • 性差
  • 姿勢・頭部顔面の形態
  • 不正咬合や骨格性異常

機能的問題(生理的)

  • 不安やストレス
  • 患者の性格
  • 閉塞的な環境
  • 睡眠障害 など

心理社会的問題

  • 顎機能異常や筋活動の異常
  • ブラキシズムやTCHなどのパラファンクション
  • あごの使い過ぎによる疲労
  • あごに負担のかかる楽器・長時間の歯科治療

顎関節症の症状チェック

下記チェック項目に当てはまる項目が多い場合は顎関節症の疑いがあります。

  • 口を開けたり、閉めたりすると痛い
  • あごを動かすときに異常な音がする
  • 口が大きく開かない、閉じない
  • 噛み合わせが変わってきた
  • こめかみや頬のあたりが何もしなくても痛い

顎関節症のなりやすさ、なりにくさはコップに注げる水の量

顎関節症は同じことを行っていたとしても、顎関節症にならない人もおります。
それはなぜなのでしょうか?

患者さんの顎関節症のなりやすさはコップに水を注ぐことを想像するとわかりやすいです。
それぞれ、人は大きさの異なるコップ(顎関節症への耐久性)をもっており、顎関節症となる原因(注がれる水)の入る限界量が違います。元々コップが小さい人や、咬み合わせが悪い・食いしばり癖があるなどの素因を元々持っている人(水がはじめから注がれている人)はすぐに水が溢れ、症状として現れます。

当院での顎関節症治療

当院では日本顎関節学会 専門医・指導医の資格を持つ歯科医師が診断と治療にあたります。
前述した通り、顎関節症とは、あごの関節やそれに関わる筋肉や咬み合わせなどに生じる様々な症状の総称であり、原因や症状も多様です。治療法も運動療法や噛みしめの抑制、マウスピースでの治療など様々です。

症例紹介

顎関節治療の症例を一部ではございますがご紹介致します。

症例01.28歳女性、初診:2013年1月、主訴は右の顎が痛く、口が開きづらい。

初診時の口腔内

現病歴

4年前から起床時の顎の疲れと両側下顎臼歯部の知覚過敏を自覚。
はじめは起床時だけであったものの、徐々に夕方までこめかみから頬にかけての締め付けと痛みがひどくなる。こめかみから頬あたりをマッサージすると症状は少し軽減する。3年前に当医院を受診され、NSAID’Sの投薬とTCHのコントロールを行い、時間の経過と共に自然に症状は消失した。
1年前から週に1〜2回、同症状が再発していたが、セルフケアで日常生活にそれほど支障なかった。しかし、ここ1週間前は痛みが増強して、口が開きづらくなり、日常生活に支障があるため再来院された。

現症

無痛開口量16mm、有痛開口量30mm、強制開口量40mm。
開口時に多少右に偏位するが、前方運動路と左右側方運動路に障害はほとんどない。開閉口路における、関節円板性の雑音は認められない。疼痛は右の咬筋に開口時痛(VAS 8)、圧痛(VAS 6)、咬合痛(VAS 1)
咬合状態は特記すべき問題点は認められないが、夜間のブラキシズムが強いことを自覚している。
X線診断:パノラマX線から下顎頭の変形は認められない。

診断

顎関節症Ⅰ型
診断の根拠:開口制限には、硬性の開口制限(どうやっても開かない)と、軟性の開口制限(無理すればゆっくりと開口可能)がある。本症例は軟性の開口制限で、有痛、強制開口でゆっくりと開口可能であった。その際の顎の偏位や関節円板性の雑音は認められなかったため、関節内の問題は少ないと考えられる。従って現症より咀嚼筋障害Ⅰ型と診断した。

治療ゴールの設定

約1か月の治療期間を目標として、スムースな開閉口運動と前方、側方運動が行えることと、その時に痛みの発現はないか、もしくは日常生活に支障がない程度であること。
症状の再発については、夜間のブラキシズムがあることなどより生活面の問題などで十分に起こりえると伝える。

運動療法のサポート

十分な病態説明を行う。
運動療法の作用機序として、顎関節は動かしていくことで機能が維持され、咀嚼筋を伸展することで血行を改善し、筋肉の拘縮の抑制や回復が計れる。
正しい手技方法と1日5〜10回程度、1回の運動療法時間は1〜3分程度。しっかりと毎日実践して頂くことを約束するが、決して無理はしない。
運動療法時に多少の関節雑音の出現や痛みの増強は仕方がないと理解頂く。
運動療法実践状況の確認と症状の変化は2週間に1度の来院で十分である。

治療経過

NSAIDS服用と運動療法の併用で初診から1日目で症状は軽減した(開口時痛でVAS 1程度まで減少)。
寄与因子である夜間ブラキシズムの対策で、ナイトガードを装着して頂いたが、装着すると咬みしめが増加して頭痛や肩こりがひどくなるという事が判明したため、使用から1週間で中止し、日中のTCHのコントロールを注意深く行って頂いた。運動療法は初診から指示したメニュー通りに行って頂き、初診から1週間で正常な顎運動ができるようになり、設定した治療ゴールまで症状が緩解した。

症例2.52歳女性、初診:2013年5月、主訴は左の顎が痛い、咬み合わせのバランスがおかしい。

初診時の口腔内

現病歴

2003年右顎関節の疼痛と開口障害を主訴に初診され顎関節症IIIb型(ロック期間1か月)の診断のもと、マニュピュレ—ションおよび下顎頭可動化訓練行った結果、約1か月間で運動障害や疼痛など症状が緩解した。(症例2−図1)その当時から、前歯オープンバイトで中心咬合位が安定せず、多態咬合を呈しており、患者自身も咬みづらさを訴えていたため矯正治療も検討したが、患者の同意は得られなかったため経過観察となっていた。
1年前に審美障害を訴え近くの歯科医院で、3−3のメタルセラミックスを装着された。その直後から、左顎関節の関節雑音と開口時疼痛を起床時に自覚した。同時にまた咬む位置が分からなくなり、全体の咬合のバランスが崩れたように感じられた。その事を担当した近くの歯科医師に伝えたが、よく分からないとの回答であった。症状は起床時が主であったが、しばらくしてから、突然口が開かなくなり症状の悪化を自覚したため、当院を受診した。

現症

無痛開口量10mm、有痛開口量15mm、強制開口量40mm.
開口時に左に大きく偏位し、前方運動路と左右側方運動路ともに運動障害が認められた(特に右側方運動時)。左顎関節に開口路にクレピタス雑音を認めた。左顎関節部に開口時痛(VAS 6)、閉口時痛(VAS 4)、左顎下部筋群に開口時痛(VAS 4)、閉口時痛(VAS 6)の疼痛を認めた。
咬合状態は下顎が後退したオープンバイトを呈しており、中心咬合位が不安定であった。夜間のブラキシズムやTCHの自覚はない。
X線診断:パノラマX線、CBCTから右下顎頭の扁平化と骨棘、左顎関節の扁平化と骨吸収像(erosion)がみられる。

診断

顎関節症ⅠV型 陳臼性クローズドロック(ロック期間6か月)
パノラマX線、CBCTから下顎頭に変形があること。硬性の開口制限があり、突然の開口障害とその後徐々に開口が可能となり、クレピタスが出現していること。クローズドロックしている左側顎関節への開口時の偏位など左顎関節の運動障害が認められる。従って現症より変形性関節症ⅠV型、ロック期間が6か月の陳臼性クローズドロックと診断した。

治療ゴールの設定

約6か月の治療期間を目標として、スムースな開閉口運動と前方、側方運動が行える。下顎運動時の際に痛みの発現はないか、もしくは日常生活に支障がない程度。左顎関節の雑音は長期間継続する可能性はある。
上記治療方法で1ヶ月治療後、下顎運動障害の継続や症状の緩解が低い場合は、パンピングや上関節腔洗浄療法など外科的療法を検討する。

運動療法のサポート

  • 十分な病態説明を行う。特に開閉口運動による関節円板の動態と痛み・開口量・雑音の関係について。また、変形性関節症の病態については、その成因が数か月から数年かけて症状発現し、同時に開口筋群や外側翼突筋の委縮などによる筋力低下も合併していること。
  • 運動療法の作用機序として、顎関節は動かしていくことでロックしている関節円板の障害が除去され、正常な下顎頭の運動を獲得することを目的とする。長期にわたる関節の運動障害による病態変化は、関節包・靭帯の柔軟性の低下とそれに引き続く関節包内の線維性癒着へと進行していくため、早期からしっかりと可動化することが重要である。
    また顎関節運動が正常化してくると、左顎関節の骨吸収像(erosion)は改善する可能性がある。
  • 正しい手技方法と1日5回程度、1回の運動療法時間は1〜5分程度。合計10分は下顎頭可動化訓練を行う。
  • 運動療法時に関節雑音や痛みの増強は仕方がないと理解頂く。
    特に術者による関節包ストレッチ療法はできる限り下顎頭を前方に引くため、痛みの増強がひどい場合には鎮痛剤服用を指示する。
  • 運動療法実践状況の確認と症状の変化は、当初は1週間に1度の来院となるが、十分に練習を行って頂け回復が順調であれば。1か月に1度に延長する。

治療経過

下顎頭可動化訓練を行うと日常生活が非常に楽になると患者から報告うけた。
1か月の診査において、無痛開口量11mm、有痛開口量40mm(練習時の疼痛VAS.1)。左顎関節のクレピタスが増加。左顎関節の前方運動量は右側に比較して約80%だが、左への顎の偏位がまだ強い。下顎頭可動化訓練は1日10分施行している。
1か月の診査において、無痛開口量15mm、有痛開口量41mm(VAS.1)。左顎関節の前方運動量は右側に比較して約90%となり、左への顎の偏位は改善傾向にある。しかし、術者による関節包ストレッチ療法を行うとクリックの出現と疼痛の増大がみられ、下顎頭可動化訓練は継続が必要。外科的療法の必要性はないと判断した。
6か月の診査において、無痛、有痛開口量41mm、強制開口量45mm(VAS.0.5)。左への顎の偏位は少し残存している。日常生活に支障がなくなったが、外側翼突筋など開口筋群の萎縮が考えるため、運動療法は継続する。1日10分程度。

顎関節症についてもっと詳しく

顎関節症について、もっと詳しく知りたい方は院長ブログ(不定期更新)をご覧ください。

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