歯周病とはどんな病気なのか
歯を支える周りの組織に起こる病気
歯を支える色々な組織には、歯肉(歯ぐき)、歯根膜、セメント質、歯槽骨があります。
歯周病はこれらの組織が細菌に感染して破壊される病気で、以前は、歯槽膿漏と呼ばれていました。
歯と歯肉の間の歯周ポケットに細菌が入り、歯肉が炎症を起こし赤く腫れます。
ブラッシング時に出血したりしますが、痛みは全くありません。
さらに進行すると、歯を支えている歯槽骨が溶けて、歯がグラグラしてきたり、歯肉が腫れて膿が出たりします。
この頃になってやっと、痛みを伴います。そして、最後には、歯が抜けてしまいます。
歯周病チェック
- 朝起きた時、口の中がねばつく 1点
- 歯と歯の間に食べ物がつまりやすい 1点
- 歯並びが悪くなった気がする 1点
- 歯肉がむずがゆい 1点
- タバコを吸う 1点
- 歯科検診を1年以上受けていない 1点
- 歯肉が赤く腫れている 2点
- 歯磨きすると、出血する 2点
- 歯の隙間が広くなった 2点
- 歯が長くなったように感じる 2点
- 歯肉を押すと血や膿が出る 2点
- 歯がぐらつく 2点
- 口臭があると言われた 2点
- 冷たいものがしみる 2点
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0点
今のところ歯周病の危険性は低いです。今後共日々のケアを心掛けてください。
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1点
歯周炎の可能性があるので、歯の磨き方を見直しましょう。
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2~6点
歯周病の初期症状の可能性があります。放置すると進行する可能性があるので、歯科で検診しましょう。
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7~10点
歯周病がかなり進行している可能性があります。すぐに歯科で治療しましょう。
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11点以上
早期に治療しないと、全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。
歯周病の進行度合い
歯周病は大きく分けて歯肉炎と歯周炎の2つに分類できます。
健康な状態から歯肉炎、歯周炎の順番で進行していきます。
歯周病は放っておけば当然進行しますが、適切に対処すれば治る病気です。
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健康な状態
健康な歯周組織はぴったりと引き締まっており、歯と密着しています。
色はうすいピンク色で、歯と歯の間の歯肉は三角形をしています。 -
歯肉炎
歯肉炎は歯周病の中でも初期の段階で、歯ぐきに炎症が起きている状態をいいます。歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きのときに血が出たりします。痛みが出ることはほとんどありません。
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重度歯周炎
歯周炎になると、歯ぐきがぶよぶよと腫れ、場合によっては痛みが出て咬めなくなったり、歯がぐらぐらして移動してくることもあります。
歯周病の原因と予防
歯周病の原因となるもの。それは「歯垢」と「歯石」です。
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歯垢
歯磨きが不十分だったり、糖分の過剰摂取で細菌が粘着性のある物質を作り、歯の表面にくっつきます。
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歯石
歯垢が石灰化したもの。歯磨きでは除去できず、歯科医院で取り除きます。
歯周病予防で、最も重要な事は毎日のブラッシングです。
自分に合う歯ブラシの選定から、正しいブラッシング方法を私たちがしっかりと教え、歯周病治療・予防をサポートしていきます。
当院での歯周病治療
成人の約90%以上が羅患している歯周病。そのため当院では来院した患者さん全員に歯周病の検査を行っております。歯周病の程度によって、異なる治療法を行います。
- 軽度な歯周病の場合
- ほとんどの方が軽度な歯周病にかかっています。軽度な場合は歯茎の中の汚れをデブライトメント(そうじ)することで歯周病の原因を除去し、歯周病を改善していきます。
- 中度な歯周病の場合
- “ペリオウェイブ”と呼ばれる、レーザー機器を用いた治療を行います。
ペリオウェイブはバイオジェルと無熱レーザーによる光の化学反応で、歯周病の原因となる細菌を死滅させます。ペリオウェイブのメリットとしては、薬を全く使用しない、耐性菌が発生しない、副作用が起こりにくい、痛みが少ないという点が上げられます。
ですが、ペリオウェイブによる治療は無カタラーゼ症の方や光感受性発作のある方は治療を行えません。 - 重度な歯周病の場合
- 重度な歯周病の場合は外科的治療が必要となる場合があります。
歯周ポケットが深い場合、軽度や中度の歯周病治療を行っても、歯周ポケット内の汚れや細菌を除去しにくく、再発の可能性が高くなります。そのため歯肉を切開し歯根についた汚れを除去します。
歯周病が進行していくと、細菌により歯槽骨が吸収して(溶けて)いきます。歯槽骨が吸収された場合は、失った歯槽骨を再生するため、歯周組織再生療法も行います。
歯周病治療についてもっと詳しく
歯周病治療についてもっと詳しく知りたい方は院長ブログ(不定期更新)をご覧ください。