顎関節症の治療(3) セルフマネージメント
顎関節は生活上のさまざなま因子が症状の出現に関係することがわかってきたことから、生活習慣病として考えるようになりました。
病院に通えばよくなるということではなく、患者さん自身が病気を理解して、自分で気をつけ、自分で症状を管理するということが可能なのです。
歯科医やその他の専門家と相談することが必要ですが、問題となる因子のリストがある程度でてきたら、そのような因子のコントロールは患者さん自身の責任でもあるのです。
症状の自己管理
1) 急性期には安静に、安定期には積極的に
症状が出はじめた時期は関節や筋肉に余計な負担をかけない
よう安静にしましょう。
しかし、症状が安定したり、いくらか軽くなってきたら、積極的に
治療する姿勢が改善を早めます。
2) 訓練はコントロールされた力で定期的に
訓練には多少の痛みが伴いますが、あまり強い痛みを起こすと、生体がそれに反応し運動を抑えようとして関節組織をいためてしまうかもしれません。
日常生活での関節や筋肉へのよけいな負担は極力避けて、コントロールされた力で組織に適応能力をつけていきます。
訓練は定期的におこなうことが重要で、やったり、やらなかったりでは意味がありません。
自己管理の方法
具体的な方法は必ず歯科医に相談してください。
1) 歯を常時接触させておかない。
* 異常のないあごは、力を抜いた状態では、上下の歯が接
触していません。
* くちびるは軽く閉じて、舌はうわあごの前歯のうしろに軽く
触らせておき、あごの力を抜いて上下の歯をさわらせな
いということを習慣化することで、関節や筋肉を休ませ
ましょう。
2) 関節可動化訓練
関節の問題で口があかないときにおこないます。
3) 筋訓練
筋進展訓練:硬くなった筋肉をストレッチします。
負荷咀嚼訓練:筋肉を強化して疲れにくくします。