歯周病の治療 (1)
歯周病の治療について知っていますか?
まず、歯周病の状態を把握し、原因を明確にするために、歯周組織検査を行います。
レントゲン検査、歯周ポケット測定、歯の動揺度、プラークの付着状態、かみ合わせ、不適合な補綴物(冠や修復物)の有無のチェックなどがあります。
また、歯周病は患者さんの生活習慣にも大きく関わってきますので、食生活、嗜好品(甘味など)、喫煙、歯磨きの時期、回数、時間、歯ぎしりや咬みしめなどの悪習癖、仕事の忙しさ、全身状態などをうかがっていきます。
今までの、症状の経過や治療歴も大変参考になります。
症状や進行の程度により、それぞれ治療計画を立て治療が行われます。
1. プラークコントロール(ブラッシング)
歯周病の予防と治療には、ブラッシング(歯磨き)で口腔内を清潔に保つことが1番です。
歯周病やむし歯の原因であるプラークは、ていねいなブラッシングで大部分を取り除くことができます。
適切なブラッシングを続けることで、歯周病を予防することができ、軽度の歯周病であれば、治すことも可能です。
歯周病の始まる場所は、プラークの残っている場所、すなわち歯ブラシの毛先のあたりにくい場所です。
(1) 歯と歯の間
(2) 歯と歯肉の境目
(3) 歯ブラシが届きにくいところ(奥歯)
自分では磨いているつもりなのに磨けていない人のほとんどが、磨きたいところに毛先があてらていないのです。
▼ 磨き方のポイントは?
① きちんと当てる
鏡をみながら、磨くポイントに毛先が確実に届いていることを確
認します。
② 動かし方
歯と歯肉を傷つけることなくプラークを落とすことができれば、
どんな方法(小さく横に、縦にかき出す 様に、円を描く様にな
ど)でも良いのです。
③ 軽く磨く
力を入れると毛先が開いてしまい、プラークが落とせないばかり
か、歯や歯肉を痛めてしまいます。
力の目安は毛束がまっすぐなまま歯面に当たる程度でいいので
す。
④ 細かく動かす
つい大きく動かしがちですが、歯に凹凸があるため小刻みに
動かさないと、引っ込んだところには毛 先が届きません。
特に、裏側や歯と歯の間を磨く時は、大きく動かすとせっかく
入った毛先が出てしまいます。
⑤ 1ヶ所につき10回~20回ぐらい磨く
プラークは粘着性が強いので2~3回動かしただけでは
落としきれません。
1日に最低1回は時間(5分以上)をかけてゆっくりと隅々まで
プラークを取り除きましょう。
可能なら、毎食後磨くことが理想です。特に寝る前には丁寧に
ゆっくりと磨くことが効果的です。
歯ブラシの補助として、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使う場合もあります。
自己流では、プラークを落とせません。必ず、専門家(歯科医師、歯科衛生士)によるブラッシング指導を受けましょう。