PRGF SYSTEMの特徴
PRGF SYSTEMとは?
血液からPRGFと自家組織フィブリンのみを採取するように設計されたシステムです。
白血球を取り除くことにより、白血球が原因となる炎症性インターロイキンを除外し、血小板のみの採取を可能にした世界最初のシステムです。
(白血球は赤血球の直上に単一層となって集まるため、白血球の混入しないPRGFの採取が可能なのです)
それでは、なぜ白血球が無いほうが良いのでしょうか?
白血球は免疫反応に関与する物質を集めやすくし、特に好中球は、ある種の酵素を分泌して周辺細胞を破壊してしまうのです。
PRGFはどうやって採取するのでしょか?
まずは、患者さん自身から採血します。
使用する量によって採血量は異なりますが、歯科・口腔外科領域では、20cc程度(多くても40cc程度)で、血液検査のときくらいの量です。
この血液をPRGF用の条件に設定した遠心分離器に入れ、8分間遠心分離します。
↓
遠心分離後の血液です。
一番下の赤い部分が赤血球です。その直上に一層の薄い白血球の層があります。さらにその上の黄色透明の部分が血漿になります。
この血漿部分は血小板数、成長因子の濃度によって3つに分けられます。
一番下(F3)(白血球層の直上)の部分が血小板成長因子を多量に含む部分で、ここがPRGFです。
一番上(F1)は末梢血液と同様の血小板数が含まれ、フィブリンの調整(膜や糊のような役割)に使用します。血小板数が多くなるにつれてフィブリンは不安定になるので、F1では安定したフィブリンになります。
採取過程では、血小板は活性化されずα顆粒も無傷のまま(成長因子は放出されていない)です。
アクチベーターを使用して血小板を活性化することで初めて、成長因子の分泌が始まります。
抜歯後に使用する場合などでは、試験管で活性化し、
インプラントのような場合では、シャーレ上で活性化することによって形態を調整します。
歯科では、骨移植の際に用いられることが多いのですが、骨移植片とPRGFを混合すると、血小板を多く含んだフィブリン基質が骨粒子を閉じ込めて、使いやすくします。
PRGFと自家骨を混合した状態(活性前)
↓ ↓
活性化すると、骨の治癒や改造に重要な多数のタンパク質や成長因子が放出し、幹細胞の分裂や骨基質形成、コラーゲン形成など治癒を促進します。
また、血管新生も促進されます。
最適な骨修復のためには、移植片への血管侵入は不可欠であるため、この点においても有効です。