症状別 顎関節症 ”あごが痛い!”
顎関節症かな?と思ったら・・・
顎関節症には、主に『痛み』『音』『口が開かない』という症状があります。
症状の出かたは、患者さんによって異なり、単独で出る場合といくつかの症状が組み合わさって出る場合があり、複雑です。
わかりやすくするために、症状ごとに順次解説したいと思いますので、ご自分に当てはまる症状についてみていってください。
どんな症状がありますか?
① あごに痛みがある ・・・ ”あごが痛い!”の項へ
② 口が大きく開かない ・・・ ”口が開かない!”の項へ
③ あごに音がする ・・・ ”音がする!”の項へ
③ その他の症状 ・・・ ”その他”の項へ
”あごが痛い!”
痛い部分はどこですか?
a. 耳の前
耳の前を触って、口を開け閉めしてみると、関節が動いているのがわかりますか?
その部分が顎関節です。左の写真の”赤いしるし”のところです。
あごを開け閉めしたり、物を咬んだ時に、この部分に痛みを感じるようであれば、顎関節症である可能性は高いを考えられます。
顎関節の内部には、関節円板というクッションや関節腔などがあり、その部分になんらかの障害がおきている可能性があります。
痛みの強い急性期には、炎症を抑えて痛みを取り除く、消炎鎮痛剤を服用することが一般的です。
消炎鎮痛剤で、症状を取り除くことによって、治ってしまう場合もあります。
症状が完全に取れなかったり、再度症状が出る場合には、その原因を精査し、それに対する治療(日常生活指導、開口訓練、マウスピースによる治療、理学療法、外科療法など)が必要になってきます。
その場合は、専門医を受診し、精査することをお勧めします。
顎関節以外の部位に痛みを感じることがあります。
顎関節自体に問題がなく、筋肉だけの痛みでも、顎関節症という病名になります。
b. ほほの周囲
指をほほに当て、ギュッと噛みしめてみてください。ほほの筋肉が硬く盛り上がるのがわかりますか?
この部分は咬筋という筋肉で、食べ物を咬むための筋肉(咀嚼筋)です。
この部分に痛みを感じる場合も、顎関節症である可能性は高いと考えられます。
多くの場合、日中の咬みしめやくいしばり、夜間の歯ぎしりなどによって、この”咬む筋肉”に負担がかかっています。
仕事が忙しく、緊張していませんか?夜はよく眠れますか?
自分自身には自覚症状がなくても、無意識にしている場合があります。
ご自身が気づき、緊張を和らげる(力を抜く)ことで、改善していきます。
ただ、長期間、癖になっている場合には、なかなか力を抜くことが難しいことがあります。
症状が長引く場合には、専門医を受診してください。
c. こめかみ
こめかみも部分を少し押してみると痛みはありませんか?
この部分は側頭筋という筋肉で,咬筋と同様に咬むための筋肉(咀嚼筋)です。
普段、しかめっ面をしていたり、眉間にしわを寄せて仕事をしていませんか?
自覚がなくても、本を読んでいた、考え事をしていたりする時、顔の筋肉にかかっていることが多いようです。
電車に中で観察していると、携帯をみていたり、新聞を読んでいる人の大部分が眉間にしわをよせています!
この部分の痛みが慢性化すると、頭痛のように感じることがあります。
この場合も、力を抜いてあげることで、症状は改善していきます。
d.頭痛
上記の側頭筋の痛みとは別に、頭が締め付けられるような痛みや吐き気を伴うような痛み、拍動痛などのある場合は、顎関節症とは別の原因がある場合があります。
内科や脳神経外科など専門医の受診が必要になります。