あなたの歯は完成品ですか?(1)
こんばんは、技工士の面川です。
今回は仮の歯の話です。
お口に大きな虫歯が出来てしまった場合――、
その歯をたくさん削ることになります。
歯をたくさん削ってしまうと、歯の形が無くなってしまいます。
その時、 『仮の歯』 を入れることがあります。
――もしかして、
『仮の歯』 のまま、歯医者さんに行かないで
過ごしてしまっていたり、しませんか?
『仮の歯』 は、いわゆる 「すぐにかたまるプラスチック」 で作ることが多いです。
上記写真:右側の上の小臼歯と大臼歯の部分が 『仮の歯』 です。
この、 「すぐにかたまるプラスチック」 は、完成品としての硬さや、
強度は持ち合わせておりません。
あくまで、 『仮の―』 ものなのです。
ちょっと 「完成品によく使われるプラスチック」 と、硬さや強度を比較してみましょう。
硬さ(HV0.2) 曲げ強度(MPa)
すぐにかたまるプラ 12 78
完成品用のプラ 100 120
わかりやすく、切りよく言うと、
硬さの面では約 10 倍、
強度の面では約 2 倍という、大きな違いがあります。
他にも大きな違いは多々ありますが、まず今回はこの 『材料の物性』 について、ですね。
完成品は5年から10年程度使用することを目標として、それに見合う的確な材料を使用して製作されますが――、
『仮の歯』 は、
その完成品を入れるまでの、2週間から約半年を使用期限として作られています。
製作する為にかける時間も、完成品とは全然違います。
ぱっと作って、短い期間しか使用しないので、この物性でも十分なんです。
それじゃあなんですぐに使わなくなるのに入れるの?
それは必要だからですね。
それについてはまた今度、ということで。
次の更新を少々お待ち下さい。
あくまで、 『仮の歯』 は、
完成品を入れるまでの間の 『仮の―』 ものです。
はやく完成品と取り替えてしまうのに、こしたことはありません。
「一度、予約をキャンセルしてしまって、行きにくいな~。」
など、感じている方もいらっしゃると思いますが、まずは当院にお電話を。
受付のスタッフが優しく対応致します。